生前撮影の遺影写真、お盆に考えたい「元気な一枚」

記念写真・写真館

お盆で実家に帰ると、両親が思ったより歳を重ねていることに気づく瞬間があるんです。「今度、ちゃんと写真を撮っておこうか」——そんな会話が生まれるタイミングでもあります。今日は、遺影を生前に撮っておくという選択について、料金相場やきっかけの実例も交えて考えてみたいと思います。

遺影は生前に撮ってもいいの?

生前撮影の遺影写真、お盆に考えたい「元気な一枚」のイメージイラスト
イメージ(AI生成)

「遺影を生きているうちに準備するなんて、縁起が悪いのでは」と感じる方もいるかもしれません。ですが最近は、終活の一部として生前に遺影を用意する人が増えているんです。

いざというときに家族が写真を探し回らずに済み、慌てずに済むという安心感があります。結婚記念日や還暦・喜寿といった、家族が集まる節目の撮影と合わせて依頼する方が多いようです。ここだけ押さえておけば大丈夫です。

実際、20〜60代の女性500名を対象にした2014年のアンケート調査では、「自分の遺影は選んでおきたい」と答えた人が約7割(絶対に選んでおきたい12.4%+できれば選んでおきたい56.8%)にのぼりました。一方で「実際に準備している」人はわずか2.2%。関心は高いのに、行動に移せていない人が大半という結果です。お盆や正月の帰省は、その「思っているだけ」を動かす数少ないきっかけだと言えそうです。

参考:アスカネット フォト総研「『遺影』に関するホンネ調査」(2014年)、セゾンのくらし大研究「生前遺影を撮影するメリットとは」

料金はどれくらい?撮り方別に比較

生前遺影の準備方法は大きく3パターンあります。それぞれ費用感が違うので、比較してみましょう。

準備方法 料金の目安 特徴
写真スタジオで新規撮影 15,000〜20,000円程度 メイク・服装のアドバイスを受けられる。オプションで出張撮影やスタイリングも可
専門店で既存写真を加工 5,000円前後 お気に入りの1枚を背景・服装だけ差し替え。新たに撮影しない分、費用は抑えめ
家族写真・記念撮影と合わせて依頼 その回の撮影料金のみ(追加費用なしのことが多い) 還暦祝い等の撮影の中の1カットを候補にしておく方法。気負わず頼みやすい

プロに撮ってもらいたいと答えた人は26.6%にとどまり、「スナップ写真で十分」という声が73.4%と多数派でした(前出フォト総研調査)。かしこまった1枚より、普段の自然な表情を残しておきたいという考え方が広がっているようです。ここ、意外に思うかもしれません。

参考:セゾンのくらし大研究「生前遺影を撮影するメリットとは」

服装や表情に決まりはあるの?

遺影というと、黒い喪服のようなイメージを持つ方も多いと思います。実は今、服装や表情に厳密な決まりはなくなってきているんです。

好きだった色の服や、普段よく着ていた一枚を選ぶ方も増えています。表情も、笑顔でも真剣な顔でも、自分らしいものを選んでいいんですよ。前出の調査でも、好まれる遺影の1位は「普段着で笑顔(56.8%)」、2位が「好きな場所で撮った遺影(24.6%)」で、「正装で真顔」を望む人はごくわずか(5.1%)でした。

「普段着で来ていいですか」と迷われる方もいますが、答えは「はい、ご自身らしい一枚が一番です」です。仕立てた服より、その人らしさが伝わる一枚のほうが、あとで見た家族の記憶に残るからです。

撮影現場から:きっかけは、だいたい3つです

生前撮影に来られる方のきっかけは、私が見てきた限りおおよそ3つに分かれます。

きっかけ 内容
病気 ご自身の体調にひと区切りをつける意味で撮りに来られる
年齢の節目 還暦・喜寿など節目の歳を迎えて、そろそろ用意しておこうかと考える
身近な方を亡くしたこと 友人・家族を見送った際に写真で困る場面を見て、自分もと考える

どれも、思い立った理由がはっきりしているのが特徴です。裏を返せば、きっかけがないとなかなか動かないものでもあります。お盆やお正月に家族が集まる日は、そのきっかけを外から作れる数少ないタイミングだと思います。

家族にどう切り出す?

一番の壁は、撮影そのものより「言い出しにくさ」だったりします。「遺影を撮ろう」と正面から言うと、身構えてしまう方も多いはずです。

実際には「家族写真を撮ろう」「還暦のお祝いに一枚残そう」というお誘いから始めて、その中の一枚を将来の遺影候補にしておく、という進め方をする家庭が多いようです。目的をひとつに絞らなくて大丈夫です。

撮影自体は記念写真として楽しみながら、結果として「元気なうちの一枚」も手元に残る。そんな二段構えなら、気負わずに誘いやすいのではないでしょうか。

撮ったあとのデータ、どう残す?

撮影して終わりではなく、データの残し方まで決めておくと安心です。プリントした写真だけでなく、撮影データも一緒に保管しておくと、紛失したときにも困りません。

保管場所を家族に伝えておく、あるいはエンディングノートに書いておくと、いざというときに探す手間が減ります。あわてなくて大丈夫です、少しずつ準備しておけば十分間に合います。

参考:HOME ALSOK研究所「生前遺影はいつ撮影する?」

よくある質問

Q. 生前遺影を撮るのに適した年齢はありますか?
A. 決まった年齢はありません。還暦・古稀・喜寿といった節目の年に合わせる方が多いですが、思い立った時が一番のタイミングです。年齢を重ねるほど体調の変化で撮影が難しくなることもあるため、元気なうちに済ませておくと安心です。

Q. 家族写真と生前遺影は同じ日に撮ってもらえますか?
A. 多くの写真スタジオで対応可能です。家族写真の撮影の中で1カットを遺影候補として別に撮ってもらう形が一般的で、追加費用がかからないこともあります。事前にスタジオへ相談しておくとスムーズです。

Q. 昔の写真を遺影として使うのと、新しく撮るのとではどちらがいいですか?
A. どちらでも構いません。お気に入りの写真があれば、専門店で背景や服装を加工して遺影用に整える方法もあり、新規撮影より費用を抑えられます。表情や写りに納得できる1枚があるかどうかで選ぶとよいでしょう。

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まとめ

お盆の帰省は、家族が久しぶりに顔をそろえる貴重な時間です。そのタイミングで「元気な一枚」を残しておくのも、悪くない選択だと思います。

料金は新規撮影で15,000〜20,000円程度、既存写真の加工なら5,000円前後が目安。服装も表情も、その人らしさを大切にすれば十分です。データの残し方まで決めておけば、家族も安心できます。

気負わず、記念写真の延長として考えてみてください。