「パスポートを作り直したら、写真の規格が前と違う気がする」――そんな声、写真館でも増えてきました。2026年7月からパスポート関連の制度がいくつも変わっているんです。手数料の大幅な引き下げ、10年旅券への一本化、そして写真規格の更新。今回は証明写真の観点を中心に、何がどう変わったのかを整理していきます。
2026年7月、パスポートの制度が変わりました

まず大きいのが旅券(パスポート)の種類です。これまで18歳以上は5年用・10年用を選べましたが、2026年7月1日の申請分から、18歳以上は10年用旅券のみになりました。あわせて手数料も見直され、10年旅券は電子申請で8,900円、窓口申請で9,300円。どちらも従来より7,000円安くなっています。
18歳未満は引き続き5年用のみですが、こちらの値下げ幅も見逃せません。これまでは12歳以上と12歳未満で料金が分かれていましたが、新制度では年齢を問わず一律になりました。金額を表で見比べてみましょう。
| 区分 | 改定前 | 改定後(2026年7月〜) |
|---|---|---|
| 18歳以上・10年旅券(電子申請) | 15,900円 | 8,900円 |
| 18歳以上・10年旅券(窓口申請) | 16,300円 | 9,300円 |
| 18歳以上・5年旅券 | 選択可 | 廃止(10年旅券に一本化) |
| 18歳未満・5年旅券(電子申請) | 12歳以上10,900円/12歳未満5,900円 | 一律4,400円 |
| 18歳未満・5年旅券(窓口申請) | 年齢で区分 | 一律4,800円 |
一方で、同じ2026年7月1日から国際観光旅客税(いわゆる出国税)が1,000円から3,000円に引き上げられました。こちらは申請時ではなく、出国のたびに航空券代金などに上乗せされる税金です。パスポートは安く、出国は少し高く。行き先や回数によって負担感が変わるので、旅行の予算を立てるときに頭に入れておきたいところです。なお、2026年6月30日までに発券された航空券で出国する場合は、7月1日以降の出国でも改正前の1,000円が適用される経過措置があります。
制度の切り替え直後は申請が集中しやすく、交付までの期間が通常より延びることもあるようです。旅行を予定している人は、写真の準備だけでなく余裕を持ったスケジュールを意識しておきましょう。
参考:外務省「パスポート(旅券)」(2026年8月時点の情報。手数料・制度は改定されることがあるため、申請前に外務省公式サイトで最新情報をご確認ください)
写真の規格自体も、実は更新されています
手数料や旅券の種類とは別に、申請用写真の規格も外務省のページで令和7年(2025年)3月3日に更新されています。いちばんの変更点は、背景色として白が推奨されるようになったことです。規格の主な項目を一覧にまとめました。
| 項目 | 規格の内容 |
|---|---|
| 写真のサイズ | 縦45mm×横35mm・ふちなし |
| 顔の大きさ | 頭頂からあごまで34mm±2mm |
| 撮影時期 | 申請日から6か月以内 |
| 写り方 | 本人のみ・正面向き・無帽・輪郭が出ていること |
| 背景 | 無地で影・柄・グラデーションのないもの(白を推奨) |
| 色 | カラー・白黒どちらでも可 |
出典:外務省「パスポート申請用写真の規格」(令和7年3月3日更新)
正面向き・無帽・6か月以内といった基本ルールは以前から変わっていません。ただ、規格から少しでも外れると窓口で撮り直しを求められることがあります。写真館やスピード写真機で撮る場合は、パスポート用と伝えれば最新の規格に合わせて調整してもらえるので、あわてなくて大丈夫です。
「証明写真機とプロの写真館、どちらがいいですか」と迷う方もいると思います。規格の合致率で言えば、どちらも大きな差はありません。ただ、表情の硬さや影の出方は写真館の照明のほうが調整しやすい傾向があります。一度で決めたい方は、写真館を選ぶのも一つの手です。
受付できない写真の具体例、知っていますか?
各都道府県のパスポートセンターは、受付できない写真の例を具体的に公開しています。理由別に整理すると、次のようになります。ここ、意外と見落としやすいところです。
| つまずきやすい点 | 受付できない例 |
|---|---|
| 背景・影 | 照明の影が背景や顔に出ている/椅子や柄が写り込んでいる |
| 目もと | 前髪・まつげエクステ・眼鏡で目が隠れている/目を閉じている |
| 眼鏡 | レンズに光が反射している/黒や濃い色のレンズ |
| コンタクト | カラーコンタクトや瞳を大きく見せるレンズの使用が明らかなもの |
| 服装・小物 | 頬やあごが隠れる大きな襟・フード・マフラー/マスク/幅広のヘアバンド |
| 画像の加工・品質 | 修正・加工したもの/左右反転したもの/表面の傷や汚れ |
出典:大阪府パスポートセンター「写真の規格・見本」(2025年3月17日更新)をもとに作成
とくに注意したいのがスマホの自撮りです。インカメラで撮った写真は左右が反転していることがあり、これは受付できない例としてはっきり挙げられています。スマホで用意するなら、他の人に外カメラで撮ってもらうのが安全です。
撮影現場から:写真で落ちる心配より、パスポートの規格に気をつけて
証明写真について、現場の実感をひとつ。「写真のせいで落ちた」という話は、まず聞きません。就職活動でも入試でも、写真の出来が合否を分けたという方に、私は会ったことがありません。証明写真の写りを過度に心配しなくて大丈夫です。
ただしパスポート写真だけは別です。ここは審査の基準がはっきり決まっていて、前髪が目にかかっている、アクセサリーで顔の輪郭が隠れている、タートルネックなど首元が隠れる服を着ている、といった理由で撮り直しになります。好みや印象の問題ではなく、ルールとして決まっているので、事前に外務省の規格を確認しておくのが確実です。撮影に行くときは、髪をとめるピンをひとつ持っていくだけでも違いますよ。
撮り直しを防ぐためにできること
撮影前に押さえておきたいのは次の3点です。ここだけ押さえておけば大丈夫です。
・背景は無地の白か薄い色にする(柄物の壁や影が写り込むと撮り直しになりやすい)
・前髪や眼鏡の反射で目元が隠れないようにする
・口を軽く閉じ、正面を向いた自然な表情にする
服装は、顔まわりがすっきり見える襟元のものを選ぶと安心です。白い服は背景の白と同化してしまうことがあるので、色のあるトップスだと輪郭がはっきりします。眼鏡をかけたまま撮影する場合は、レンズへの光の反射と、フレームが目にかかっていないかも確認しておきましょう。心配なときは、撮影時にスタッフへ相談すれば教えてもらえます。
よくある質問
Q1. スマホで自撮りした写真は使えますか?
自撮り写真は左右が反転していることがあり、受付できない例に挙げられています。使うなら他の人に外カメラで撮ってもらい、背景・影・目もとの規格を満たしているか確認しましょう。アプリでの肌加工や修正も不可です。
Q2. 手数料が安くなるのは、いつの申請分からですか?
2026年7月1日の申請分からです。18歳以上の10年旅券は電子申請8,900円・窓口申請9,300円になりました。同時に18歳以上の5年旅券は廃止され、10年用に一本化されています。
Q3. 出国税の3,000円は、パスポート申請のときに払うのですか?
いいえ。出国税(国際観光旅客税)は申請時ではなく、出国のたびに航空券代金などに上乗せして徴収されます。2026年7月1日以降の出国分から3,000円です。ただし2026年6月30日までに発券された航空券は、改正前の1,000円が適用されます。
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まとめ
2026年7月から、18歳以上のパスポートは10年用のみになり、手数料は7,000円下がりました。いっぽう出国税は3,000円に上がっています。写真の規格も背景の白推奨など更新されているので、以前撮ったから大丈夫と思い込まず、最新のルールを一度確認しておくと安心です。旅行シーズン前の準備の一つとして、覚えておいてもらえたらうれしいです。


